■これは、横浜スタジアムのビジター席でたまたま隣になったおじさんのエピソードです。
おじさんは、生まれも育ちも東京都。
カープファンになるきっかけはかなり少なかったはず。
理由を聞くと、
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川口と江藤をFAで巨人が取りだしたころから、球団の方針が嫌いになって幻滅して応援するのをやめた。
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子供のころから狂信的な刷り込みで巨人を応援していたので、そのときはじめてプロ野球全体を見渡せた。
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ふとテレビをつけると、元々応援していた裕福な大正義軍団に、資金も選手層も薄い赤い球団がそれでも対等に渡り合っていた。
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「あれ?こんな魅力的な球団あったっけ?」
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「応援する球団がなくなったし、しょうがないからしばらく応援してやるか…」
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「スクワット応援…。あの柄の悪いやつか…。ちょっとやってみるかの…」
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「!? なにこれ素敵!!こんな弱小球団でもこんな熱心に応援するってなにか理由があるはず…調べてみよう」
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以来、15年以上のファン。
その日は、子供の日が近いこともあり、おじさんは小さな「鯉のぼり」を用意してきていた。
タイムリーのあと、鯉のぼりを振り回すおじさんを見て俺は思った。
この球団を一生応援し続けようと…。
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