なぜ私たちは緒方孝市に「見事にあざむかれていた」のか。退任後に明かされた闘将の実像
~中略~
緒方さんは本の出版を引き受けたわけだから、熱意がないわけではないだろう。しかし世の中にはマネジャーや周囲の人にそそのかされて渋々オファーを了解したという人もまれにいる。もしも緒方さんが積極的ではなく、取材を面倒に感じている方だったらどうしよう……。そう不安になってしまうのには、理由がないわけではなかった。というのも監督時代、緒方さんがマスコミに対してあまり積極的な態度をとっていなかったことを私は知っていた。テレビでインタビューに答えて長々としゃべっているような映像など見たことがないし、印象としてはかなり寡黙。そして闘将と呼ぶのが相応しいピリピリした雰囲気……私にはむしろ緒方さんはメディアに対して壁をつくっているように感じたし、どう見ても話すことや伝えることが好きなようには見えなかった。お会いしたはいいが、何もしゃべってくれなかったらどうしよう。言いたいことなんか別にないと突き放されたらどうしよう……考えれば考えるほど不安は尽きず、緒方さんと対面する前の晩、私は緊張で眠れなかった。しかし、私の予想は大きく裏切られた。
・不器用だったけれど、熱い監督だった。そして愛情にも溢れていた。緒方さんはそんな監督。しのぎを削るプロの世界で3連覇するのは並大抵ではない。
佐々岡監督は人がいいけど、厳しさが足りない。でも今シーズンは河田コーチが加わった。バランスは良いかもしれない。
→緒方さんが不器用という印象も、佐々岡さんが厳しくないという印象も
本当なのかは分からない